「遠方に住む祖母とテレビ電話がしたい」
そんなご相談を受けました。
コロナ禍以降、遠方に住む親族にも、なかなか会いに行けない。
だからせめてオンラインでコミュニケーションが取れれば。
こんなことを考えていらっしゃる方も多いでしょう。
「オンライン帰省」ということばもよく耳にするようになりましたが、実際にやろうと思うと、意外と難しいとも聞きます。
今回のご相談は、スマホをお持ちでないご高齢の親族の方とコミュニケーションを取る手段として、amazon Echo Show(アマゾンエコーショー)を使ってテレビ電話をしたい、というご要望。その通信手段として、格安のポケット型Wi-Fiを探しているという内容でした。
ご相談いただいた時点ですでにかなり調べられていて、ある程度方針は固まっていたご様子でしたが、お話を伺っているうちにちょっと気になる点が出てきて、少しだけアドバイスさせていただきました。
その結果、当初お考えいただいていたプランのデメリットを克服し、ランニングコストを最小限に抑えた「快適オンライン帰省環境」をご提案することができました。
- オンライン帰省に興味がある
- コロナ禍でなかなか実家に帰れない
- テレビ電話で遠方の家族とつながりたい
- でも相手はスマホも持っていない
こんなことでお悩みな方はぜひお読みくださいね
ご相談|【オンライン帰省】実家の祖母とテレビ電話がしたい
当サイトでは読者のみなさまからのスマホ料金に関するお悩み、ご相談にお答えします。
今回のご相談、ご依頼主のベンゾーさんは、社会保険労務士事務所に勤務されつつ、ブログやSNSで子育て世代のお悩み解決をされているパパさんで、当サイト管理人のブログ運営の先輩でもあります。
そんなベンゾーさん、遠方にお住まいのご祖母様とのコミュニケーション手段として、amazonエコーショーを使った「オンライン帰省」を検討されています。
その接続用としてポケット型Wi-Fiの契約を考えていて「おすすめのサービスを知りたい」というのが最初のご相談でした。
- ご相談者
ベンゾー(@zangyoujigoku)さん
育児休業給付金の解説と相談の専門家
SNSで始めた育休相談は累計500件以上対応
社会保険労務士事務所に7年以上勤務
子育て世代のための情報を発信するWebサイトを運営
・育児休業の解説と個別相談サービス「私の育休ホットライン」
・出産内祝いのマナーの本音を解説「内祝いとか正直めんどい」
amazonエコーショーって何?
amazonエコーショーとは、amazon公式のアレクサ端末。「アレクサ」と話しかけるだけで様々なことができる音声アシスタントデバイスで、ディスプレイを搭載しているのが特長です。
画面を見ながら声だけで操作できるので、今回のようなオンライン帰省用のテレビ電話端末としてかなり優れたデバイスです。
大きさも価格も手頃な5インチサイズから、さまざまなタイプ が選べます。
課題|amazonエコーショーでテレビ電話をするには?
オンライン帰省に最適なテレビ電話として使えるamazonエコーショーですが、自力では通信ができないので別途インターネットへの接続環境が必要です。
- 光回線などの自宅ネット環境
- スマホのテザリング接続
- ポケット型Wi-Fi(モバイルWi-Fiルーター)
候補としてはこのような接続方法が考えられますが、ご高齢のご家族の場合、自宅回線やスマホをお持ちでないというケースが多いでしょう。
今回ご相談のベンゾーさんも同じようなお悩みを抱えていらっしゃいました。
祖母の家にポケットWi-Fiを設置しようと思ってるんですが
どんな使い方を想定されてますかね?
月に2時間ほど、amazonエコーショーを使ってテレビ電話をする使い方です。それ以外でのネット使用は無い予定です
月2時間なので、最低ランクのポケットWi-Fiで十分かなとは思います
なるほど!すでに結構調べてらっしゃるんですね
ベンゾーさんご自身で、すでに毎月の利用状況まで把握されているご様子。あとは最適なプランを選べばいいだけ、という段階です。
当初はご相談通り、最安級のポケット型Wi-Fiということで、月20GBで1.890円のモンスターモバイルか、30GBで2.585円のそれがだいじWiFi
何よ?気になることって?
テレビ電話用途にポケット型Wi-Fiはおすすめしづらい
実はご相談のようなテレビ電話用途の場合、ポケット型Wi-Fiにはおすすめしづらい点がいくつかあります。
- スリープモードに入ると復帰が面倒
- 常時給電がバッテリーによくない
- 小容量プランが少ない
スリープモードに入ると復帰が面倒
ポケット型Wi-Fiには、バッテリー持ちを長くするために一定時間通信が行われないと機能をオフにする「スリープモード」が設定されている場合が多いです。
大抵は電源ボタンを押せば復帰しますが、ご高齢の方にはその操作すら難しいでしょう。
「使いたい時に使えない」理由もわからず、混乱してしまうのが懸念されます。
常時給電がバッテリーによくない
ポケット型Wi-Fiにはバッテリーが搭載されています。
ご高齢の方にバッテリー残量をチェックしてもらうのは難しく、常にコンセントに繋ぎっぱなしで使うことが多くなりそうですが、この「常時給電」という状態は大変危険です。
過充電によるバッテリーの劣化や膨張、最悪の場合、発火事故につながることもあるため、絶対に行ってはいけません。
小容量プランが少ない
今回のケースではテレビ電話を月に2時間程しか使う予定はないとのこと。amazonエコーショーでのテレビ電話利用時のデータ量は1時間あたりおよそ1GB、その他の通信を考慮しても月3GB程度あれば間に合いそうです。
それに対しポケットWi-Fiの料金プランは最少でも月20GB程度。ちょっと容量がムダになってしまうかもしれません。
発火事故とか怖すぎです!
ポケット型Wi-Fiは手軽だけどデメリットもあるってわけね
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ご提案|SIMフリーホームルーター+格安SIMで解決!
そこで、ポケット型Wi-Fiサービスに代わって、市販されている「SIMフリータイプの据置型Wi-Fiルーターと格安SIM」の組み合わせをご提案しました。
Aterm HT100LN
NEC製の据え置き型SIMフリーWi-Fiルーター「Aterm(エーターム) HT100」シリーズ。
「SIMフリー+据え置き型」という珍しい製品で、バッテリー非搭載のAC電源専用設計なので、今回のようにコンセントに繋ぎっぱなしで使う場合に最適です。
ドコモ・au回線に対応したHT100LNと、ソフトバンク回線に対応したHT110LNの2つの型番に別れています。お使いのSIMにあわせて選びましょう。
日本通信SIM「合理的シンプル290プラン」
組み合わせるSIMは日本通信SIMの「合理的シンプル290プラン」。
1GBまで290円で、その後は1GBあたり220円ずつ加算される従量制プラン。使った分だけお支払いの超コスパ格安SIMです。
今回は使いませんが通話料が安いのも特長。11円/30秒は大手キャリアの半額です。
お申し込みには事務手数料3,300円がかかりますが、各ECサイトでエントリーパッケージを購入すれば無料。ご購入にもポイントが使える(貯まる)のでおすすめです。
この構成のメリット・デメリット
日本通信SIMは激安プランなのでランニングコストが相当抑えられます。今回は月3GB程度の小容量だったこともありこのプランを選びましたが、お使いのギガ数によっては他の格安SIMを選んでもいいでしょう。
一方、デメリットとしては事務手数料が3.300円かかる点。また、ルーター本体の購入代金も必要なので初期費用がそれなりにかかってしまうのが難点です。
ですがベンゾーさんは、過充電などポケット型Wi-Fiのリスクをご理解の上、アドバイス通りおすすめの構成を選んでいただきました。
うちの豚のお話を素直にお聞きいただき、感謝に絶えませんのよ
レビュー|接続・設定レポート
それでは実際に購入したベンゾーさんに、接続と設定についてレポートしてもらいましょう。
端末購入・日本通信SIMの申し込み
端末の購入、日本通信SIMの申し込み自体はWebでスムーズ。ただし今回は新規番号での契約だったのですが、日本通信SIMの申し込みページにはMNPの案内しかなかったため、少し不安になりました。
引き継ぐ電話番号等の、MNPに必要な情報を入力しなければ自動的に新規契約になるようですが、少し不親切な気はしました。
開通・初期設定
端末、SIMともに数日で届きました。早速開通と初期設定を行います。
日本通信SIMの開通
開通はスマホにて行いました。
iPhoneの場合はSIMを挿して、説明書の指示に従いAPN構成プロファイルをダウンロードするだけなので簡単です。
ただし私の場合は、以前使っていた他社の構成プロファイルが残っていたので、それを一回削除する必要がありました。
iPhoneはAPN構成ひとつしか保存できない仕様なの
HT100LNの設定
次に、開通したSIMをHT100LNに挿して初期設定を行います。
説明書通りに設定したのですが、なぜかネットに繋がりません。一瞬焦りましたが本体を再起動したら解決しました。
HT100LNには電源ボタンがないのでコンセントを抜き挿しして再起動。無事接続を確認できました。
そしてエコーショーとAterm HT100LNを接続、これは一瞬でした。Wi-Fi選んでパスワード入れて終わりです。
これでネットワークの接続は完了です。
アレクサアプリの設定
最後におばあちゃんと家族、それぞれのアレクサアプリを設定します。
- SIMをスマホに再度挿してアレクサアプリをばあちゃんのアカウントで開く
- SMS認証を求められるので、今回開通した電話番号を使って認証
- アレクサアプリで家族の電話番号を登録。ニックネームもついでに登録
- 家族側のアカウントでアレクサアプリにログイン
- 実家のおばあちゃんの名前と電話番号(今回開通した番号)を登録
これで設定完了です。
再度HT100LNにSIMを挿し直して、家族側のスマホから接続テストを実施。無事に違うアカウントへのアレクサビデオ通話ができるようになりました。
あとはエコーショーとAterm HT100LNを実家に持って行き、コンセントに挿せばOKです。
使ってみてどうだった?
無事設定も終わったようですが、実際に使ってみてどうだったのでしょうか?
まずは、非常にいいい感じのコストで目標達成できたと思ってます!
事前のテストも、実家に持って行って試しても特に問題はありませんでした。ただ…
ただ?
祖母がエコーショーに思いの外興味を示してしまい、我々が帰った後で設定を自分でいじってしまって元に戻せなくなるという、想定外の事態が起こりましてw
ええ!?それでどうなったんですか?
電話で話をしてもラチがあかないので、もう一度実家に行って再設定するハメになっちゃいました
むむむ、それは想定外だったわね
やはり相手が高齢者の方だと、こちらの予想できないようなことも色々ありそうですね。
ベンゾーさんからは、実家にテレビ電話を設置する際のアドバイスとして、3つのことを教えていただきました。
- 事前にリハーサルをやっておくとよい
- 電源タップを用意しておいた方がよい(現地のコンセント空き具合が不明なため)
- テプラのようなものを用意した方がよい(声かけの名前や内容を手書きして貼っておく)
基本的にamazonエコーショーは「触らなくてもいい」はずの端末ですが、ついつい興味から電源を落としてしまったりしまうこともあるようです。
操作手順をノートに大きくわかりやすく書いた、手製のマニュアルのようなものを用意するのもいいかもしれませんね。
早く慣れて、うまく使ってくれるといいですね
まとめ|テレビ電話におすすめの通信構成
amazonエコーショーを使ったテレビ電話に最適な通信構成(機器・プラン)を提案させていただきました。
- amazonエコーショーには別途通信環境が必要
- 自宅回線やスマホもない環境では、管理がかんたんな接続端末がほしい
- ポケット型Wi-Fiはお手軽だが、スリープやバッテリー発熱、プランなどの問題も
- AC電源専用のSIMフリー据え置き型ルーターに格安SIMを挿して運用がおすすめ
- 事前にテストやリハーサルを行い、手製のマニュアルなどを用意できるといい
相手がご高齢者ということで、ご家族側の事前準備が必要ですが、導入できればきっと遠方のご親族もお喜びいただけるでしょう。
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